君はTVっ子

私もTVっ子です。

おすすめはしないけど、大好きな私の地元のお話。

今週のお題「僕の住む街・私の地元」

地元ってなんだろう。地元ってどこだろう。

私は神奈川県横浜市で生まれ、一年もしないうちに藤沢市に移り住んだ。その後小学校に上がる前に今も住んでいる場所に引っ越してきた。

それから15年くらいずっとここに住んでいる。小学校も中学校もこの場所。高校も毎朝ここから通い続けた。そして今、大学も自宅から通学している。

私の地元は、ここだと思う。ここ以外にはない。

 

神奈川県といえば、他の県に住んでいる人はどこを思い浮かべるだろう。やっぱり横浜かな。歴史もあって落ち着いた鎌倉かな。若い人なら湘南だろうか。かまぼこの名産地、小田原なんて答える人はシブい人だね。海老名SAも最近有名だよね。

私の住むところはそんな他の市に比べたらずっと地味で、知られていない。

幼馴染と地元について話すときも大抵「何もない」とか「田舎だよね」なんて愛情をこめてちょっぴりけなすのだ。だって、近くに長話するためのファーストフード店も喫茶店もないんだもの。

でもきっと、もっともっと田舎に住んでいる人には怒られてしまうと思う。実際、遠くの方からこっちに出てきている大学の友達には「東京にすぐいけるんだからいいじゃない」なんて言われる。それはまぁ、たしかにそうだね。やっぱり贅沢なのかな。

でも、日本中探しても駅のない「市」はうちくらいなんだよ。名産品は豚肉なんだよ。ぶーぶー。ブロッコリーも有名らしいよ。

 

1月13日、成人式に出席した。固くて重い振袖着た気恥ずかしい気持ちが吹き飛ぶくらい、昔の同級生たちとの再会が嬉しかった。あの頃と何も変わっちゃいなかった。変わったような気がしてただけだ。

あの頃と同じように名前を呼ばれ、あの頃から続いているような内容の会話を交わして、明日も会えるような気持ちで別れた。はじめて実感した。ああ、地元ってこういうものなんだ。私の地元ってここなんだ、って。

最初によそに住んでいたこともあって、あまり感じたことのなかった郷土愛。そこに住む人も、その土地も、そこで暮らして浴びる太陽も全部、愛しているんだって感じた。

実は女のくせに振袖を着るのが嫌で、ギリギリまで出席を渋っていたのだけど、お母さんの粘りに根負けして行ってよかった。こんなときまで親に迷惑をかけてしまいました。ありがとうお母さん。

 

成人式に出席してよかったなぁって一番感じたのは、中学生の頃ずっと片想いし続けて、それでも話しかけられなかった相手と話せたこと。ほんとに全然変わってなくてびっくりした。私がずっと見てたころのまんまだった。声も髪型も顔も背丈も。

話して、ああ、ここにあるんだなぁって思った。

私が生きてきたほとんどの時間が、この場所にあるんだなぁって思った。

友達と喧嘩したり、仲直りして笑ったり、受験勉強をしたり、恋をして追いかけて、フラれて死ぬほど泣いたり、見つめることしかできなかった日々も、全部ここにそのまま置いてあった。なくなることなんてないんだね。

 

何もないところです。遊び場も、駅も、観光地も、ほんとになんにもない。豚がいるだけです。でも私たちにとってはかけがえのない地元で、帰ってくる場所なのです。

ここ、神奈川県綾瀬市が私の地元なのです。

 

(了)